*****(1)音楽信号の解釈と分析*****

(音楽信号の構造)
図1−1
まず、図1・1を御覧下さい。
この図は男女の音声のビーク音圧レベル周波数特性ですが、まず音圧の一番高い周波数を見ますと男女とも約330Hzぐらいになります、 特性的にはカマボコ型です。
次にP5図1・4のピアノの白鐘を見ますと88鍵ですが、真ん中は44と45鍵になります。 44鍵の周波数を見ますと329.63Hz 45鍵を見ますと349.23Hzとなります。 つまりピアノの鍵盤の真ん中と、人間の声のピークレベル周波数とはほぼ一致することを意味します。 鍵盤の上に<1>から<35>まで色々な楽器の基音周波数の分布状況がありますが、ほとんどの楽器は、330Hzから349Hzを含んでいます。 高音楽器といわれている〈27>バイオリンでも最低基音は196Hzから出ています。 つまり私見では330Hz付近というのは楽器の基音のほぼ中央です。 楽器の基音の分布図を見ますと人問の声を中心に作られたと考えて良いと思います。 言い換えれば(ヘソ)に当たると思います。

図1−2
次に、P10図1・9を御覧頂きますとオーケストラ曲の音圧レベル周波数特性がのっています。 まず1%から10%レベルの特性を見ますとほぽ相似形である事がご理解頂けると思います。 特性はカマボコ特性です。 一番音圧の高い周波数を見ると約700Hzです。 ではなぜ700Hz付近に頂上がくるのでしょうか?

図1−3
「図1−3」
(1)ハープ, (2)アコーディオン, (3)ギター, (4)マリンバザイロホン, (5)チャイム, (6)ティンパニ, (7)ピッコロ, (8)フルート, (9)ソプラノサキソホン, (10)アルトサキソホン, (11)テナーサキソホン,、 (12)バリトンサキソホン, (13)パスサキソホン, (14)ソプラノクラリネット, (15)アルトクラリネット, (16)バスクラリネット, (17)オーポェ, (18)イングリッシュホルン, (19)バスーン, (20)コントラバスサリュソフフォン, (21)コルトネットトランペット, (22)アルト(メロフォン),・ (23)フレンチホルン, (24)トロンボーン, (25)パスチューパ(Eb), (26)パスチューバ(B跳), (27)バイオリン, (28)ビオラ, (29)チェロ, (30)ベース, (31)ソプラノ, (32)アルト, (33)テナー, (34)バリトン, (35)バス

P5図1・4をみますと基音の一番集中している330Hz付近に頂上がくるべきではないかとお考えになるのではないでしょうか。 実際は楽器の音は基音と倍音が出ますので、音圧特性は基音十倍音になります。 700Hz付近にも楽器の基音は相当ありますから、330H辺りの倍音が丁度700Hzぐらいに来ますので、合成されて700Hz辺りに頂上がくると考えて良いと思います。

今度は、図1・9のピークレベルを御覧下さい。 最大ピークレベルを見ますと約120Hzにあります。 特性は1から10%までのカマボコ特性とは明らかに異形です。 この特性を御覧になってどこかで見たような特性とお感じになられないでしょうか。

図1−4
P3図1・2はフレッチャーマンソンの等ラウドネス曲線ですが、例えば120ホーンの特性の120Hz付近をキュツと持ち上げそれ以下の周波数をストンと落とし10KHz以上をカットすると非常に良く似ていると思われないでしょうか。 話を戻しますとP1O図1・9のピークレベルの特性は人問の耳の特性であると思います。
私見ではありますが、まとめますと1から10%レベル特性は人間の声の特性であるカマボコ型、ビークレベル特性は人問の耳の特性を元に作られていると考えられます。

今までの事をまとめてみます、図1・9の10%から1%までのレベル特性、ピークレベル特性、さらに図1・10の人間の声の特性を御覧頂きますと、音楽信号の構造的な解釈が可能になると思います。 人間の声の最大音圧である330Hz付近は各楽器の基音の集中するペソの部分、1%レベルまでの頂上の700Hz付近は基音と倍音の総和に於ける一番の集中地帯、最後に最大ピークレベルにある120Hz付近は人間の耳の低音に行くにしたがって耳の感度の低下に伴なう最大音圧の部分、これらを総合して構造的に考えますとちょうど子供の時に乗ったシーソーに似ていると思います。
シーソーの支点は声の最大ピークレベルである330Hz、シーソーの片側には基音と倍音の集中地帯である700Hz、もう一方の端には最大音圧の部分である120Hzと言うことになると思います。 一つだけシーソーと違う点はシーソーの支点は動きませんが音楽信号の支点である330Hzは音圧レベルが変化しますので支点が上下に動く、と考えれば良いと思います。
舎楽信号をシーソーにたとえた訳ですが、このシーソーがスムーズに動く為には、言い換えればうまくスピーカーで再生するには、少し余裕を考えて100Hzか.ら1KHzの問を1つのスピーカー(ユニット)で再生するのが一番良いと考えます。 どんなに音のつながりの良いスピーカー回しをもってきても必ず問題がありますし、ネットワークやチャンネルデバイダーの問題、さらに位相の問題などいろいろな問題が、2ウェイ化することによって生じます。 ましてコーン型ウーファーとホーン型ドライバーのような全く異質の物を組み合わせることはスムーズなシーソーの動きということから考えれば出来るだけ避けるべきだと考えます。 音楽信号は常に変化します。我々は音の強弱、周波数、ハーモニー、リズムなどの変化を楽しむ訳ですから、一音一音の音の粒だちと様々な変化をいかに忠実に生の音に対して行うかという観点から考えて行かなくてはならないと思います。

図1−5
(音楽信号と対数との関係)
まず音圧レベルとダイナミックレンジとの関係から考察してみます。 P9図1.8を御覧いただきますと、各楽器の音圧レベルが表示してあります。 人問の声を例に取りますと約60dBほどもあります。 整数に直すと1000ということになり、最弱音と最強音の比は1000倍という大きな数字になります。 またアンプのボリュームも対数で増えて行きますので、スピーカーの振動板の振幅のダイナミックレンジが大きな問題となります。

次に音楽信号の周波数と対数との関係です。 御承知のように音楽信号の周波数はオクターブごとに倍になります。 ピアノの基音を例に取りますと最低基音27.5Hz最高基音4,186Hzですがオクターブ的に見れば、下図のようになり7オクターブちよっとになります。

図1−6
一般的なホーンとウーハーを使ったスピーカーシステムを見ますとドライバーで再生する音域は500Hz以上です。 仮に500Hzと仮定しますと、ピアノの鍵盤をドライバー側で再生する白鍵のかずは37、ウーハーで再生する白鐘の数は51鐘です。 27.5Hzから500Hzと、500Hzから4,186Hzを比べると、一見500Hzから4,186Hzの方が広いように感じられますが、基音に関するかぎりウーファー側で再生する白鍵の数の方が多いのです。 ですからスピーカーを複数化して行く場合には、再生帯域をオクターブ化して考えることが重要な事です。 また音楽信号を再生する場合、基音に対するウェートはドライバーよりウーファーのほうがはるかに重要だと言えます。
話しがそれますが一週問もオクターブの法則で作られたと言われております。

図1−7
(音楽信号の波形)
次は音楽信号の変化のしかたですが、オシロスコープなどで音楽信号を見ますと、サインカーブのような級やかな変化ではなく鋭いパルスのような変化の連続です。 つまり急激な変化が連続していくわけです。 これは低音から高音まで全帯域に渡ります。
スピーカーの振動板もそれに合わせて正確にトレースしなくてはならない訳です。 ですから振動板は軽くて強度のある相反する条件が要求されますし当然強い磁気回路も要求されます。
草とバイクの停止状態からの加速を考えてもわかりますように、立ち上がりのスピードはエンジンの強さより質量の軽いほうが圧倒的に有利です。 又車のサーキットコースを考えてみれば良く解かりますが、くねくね曲がったヘアピンカーブの多いコースと直線の多いコースでは車に対する要求が変わってきます。 スピーカーの振動板は小さな振幅で鋭く<往復運動>しなければなりません。 しかも色々な周波数を同時に、なおかつ100dBものダイナミックレンジの変化のなかで対応しなければなりません。 この事がいかに困難なことか!!、を理解することがオーディオを本当に理解することにつながるとおもいます。

●(1)音楽信号の解析と分析
●(2)スピーカーの基本特性
●(3)耳と測定機の違いや人間の耳の特性についての考察
●スーパーミッドF
●スーパーミッドL
●スーパーミッドSLについて
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